光の三原色と色の三原色は何故違うのか。
中高は美術に没頭し、いじめもあってそのほとんどを保健室登校と不登校で過ごしてきたが、この年になってから勉強する楽しさに目覚めてしまった。そしてやっぱり親の言う事は聞いてちゃんと勉強しておくべきだったと後悔した。最早万人の通過儀礼。笑
そこでとりあえず興味があった英語と理科に手を付けてみた。理科はもともとそんなに嫌いな科目ではなく天文学部(という名のほぼモンハン部)に籍を置いていたり、選択授業でネズミの解剖をしたこともあった。
生きたハツカネズミの首を押さえてしっぽを引くと頸椎脱臼で死ぬのだが、その工程がどうもできなくて当時は友人に嫌な役をお願いしてしまった。しっぽを引っ張る感覚は今でもよく覚えている。これから解剖するのにかわいいからという理由で白いネズミを選んだのがそもそもの間違い。
解剖自体は魚を捌くのと大して変わらないし内臓は綺麗に整列されていて非常に勉強になった。
そんなことを思い出しながら実家に残っている教科書をかき集めるも中学理科は一冊も残っておらず仕方なく書店で分厚い本を購入した。
しかしこれが大正解!ものすごく面白い。
正確に言えば、読んでいて浮かんだ疑問に対しての詳しい説明がほとんど出てくるインターネットという最強ツールがある今だからこそ面白いともいえる。
早速1ページ目の「光の性質」について読み漁っていた時にふと昔の記憶が蘇った。そういえばここで疑問に思っていたことがあるという記憶。もともと美術部だったので色の三原色を先に知識として習得しており、光の三原色の項目を授業で習った時に何故黄色と緑なのか?という疑問が浮かんだ。
☀光の三原色は赤青緑🟥🟦🟩。🎨色の三原色は赤青黄🟥🟦🟨。(正確にはマゼンタ、シアン、イエロー、プリンターのインクと同じ。)
しかし調べるほど興味があったわけでもなくガラケーの時代だったので先生に聞くほどでも図書館に行くほどでも家にあったWin98を起動するほどでもなくそのままスルー。そして云十年後の今、何の因果か興味を持ち始め調べるに至る。笑
というわけで備忘録もかねてできるだけ簡潔にまとめてみた。
1なぜ同じ緑色ではなく黄色なのか?
☀光の三原色=赤青緑🟥🟦🟩(理科で習う)
🎨色の三原色=🟥🟦🟨(美術で習う)
何故黄🟨と緑🟩で違うのか?
☀光はそのものが発光しているので二つ以上を重ねる時は加法混色(すべてを混ぜると白くなる、太陽光が白いのはこのため)になる。
🎨色は光を吸収するので二つ以上を重ねる時は減法混色(全て混ぜると黒くなる、絵の具でみんな一度はやったことあるはず)になる。
前提知識①三原色とは=その3つがあれば他の色をほぼすべて作ることができる色
前提知識②人間の目は赤青緑🟥🟦🟩を認識する3つの錐体を持っている。
ではなぜ色の三原色は人間と適応した緑🟩ではなく黄🟨なのか?
🎨色はそのものが発光していないので(光を吸収して特定の色を反射している)色の三原色として赤青緑を混ぜるとすべての色を作ることが出来ない。
☀黄色を液晶で表現したければ🟥🟩を交互に点滅させれば黄色に見える。(ちなみにこの加法混色は頭の中でおこってるらしい。面白い。)
🎨赤緑🟥🟩を試しに混ぜてみると茶色🟫になる。=黄色が無いと黄色が作れない!!
よって色の三原色は人間の視細胞や光の三原色とは異なる黄色が採用されている。
難しい理屈ははぶいて、日常で使える豆知識くらいのレベルになる様に絵文字も使って極力分かりやすく短くまとめてみた。雑学的に面白さを伝えるなら「人間の網膜は5種類の神経細胞からできていて、その中の視細胞を更に2種類に分けたうちの錐体で明所の色覚を担っている。錐体は3種類存在しており…」という徐々にミクロに近づく説明は必要ない。どっちが面白いと思うかは人による。
私はまあ書いてある通りそこまでの名称どうしの繋がりを掘り下げないと気が済まない性格をしているので結局三原色を調べ終わった後に錐体の場所を調べたり、人間以外の動物の世界の見え方について思い出したりしていた。笑
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人間以外の動物の世界の見え方についての面白い動画があるので暇があれば是非見てほしい。
私が何故これを調べたのかと言うと夏の初めにクーラーのフィルターを掃除したごみをゴミ箱に放置してしまったところショウジョバエが家の中で孵化すると言う最悪の体験をしてしまった。そこでできるだけ効率的に迅速に駆除するために動いていたところ、白いゴミ箱以外にその場にあったカビキラーの赤と黄色の派手なパッケージにやたらとハエが集まっていることに気が付き掃除がてら観察することにした。
とりあえず卵はすべて処理して、アース製薬のコバエホイホイを置く。これもふたの部分が赤いのでハエは赤が好きなのか?と思ったが、白色蛍光灯を付けた状態ではゴミ箱の白い部分に次いで黄色に多く集まっていた。ということはつまり一番まぶしい色に寄ってきている。しかし私なんかよりも恐らくハエについて研究しまくっているだろうアース製薬さんが赤を選んでいるということは赤であるという事に意味があるはず。虫は人間とは違った色の世界を見ているというが、人間よりもはるかに小さくスピードも速いハエと言う生物にはどのように世界が見えているんだろうか。
答えは全体的に赤く見えているというものだった。では緑と青を認識する力が弱いのかというと赤は見えずに青と緑が見えているという。ついでに赤はすっとばして人間には見えない赤よりもっと電磁波に近い赤外線が見えているんだそう。
つまりは光の無い状態でも物が見えるという事。ということは可視光線と不可視光線(人間には見えない)を横並びにしたときに赤よりもっと長い波長を持っている赤外線と赤の波長がハエには似て見えている可能性がある?
※私は人間の目と脳しか持っていないし研究者じゃないので真実は分からない。
ということで部屋の電気を消して放置してみると、電気をつけていた時よりも素早くハエたちはホイホイされ平和は取り戻されましたとさ。
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「そんなことを事細かに考えても一銭にもならないじゃないか。」というのは全くおっしゃる通りで、しかしその理屈で中学生だった私がこんなに面白い学問を手放してしまったと言うのも理由の一つ。もう一つは学校の学習の進め方(全体を浅くなぞっていく)と私の得意な学習方法(一つに対して理解できるまで掘る)にズレが生じていたという事。もう一つは数学で何かの公式に対しての疑問を先生に質問したときに「それはそういうものだからそのまま覚えなさい」と言われてしまったこと。
当時未熟だった私の導き出した答えは「一銭にもならない暗記なら最低限卒業するというのが最も労力のかからない方法である」というものだった。
さて、大人になった今言っておきたいことがある。
勉強は絶対にちゃんとしておいた方がいい。
ただ恥ずかしげもなくいい歳して中学校の復習をしている身としては、楽しさに気が付いたなら何歳でもすぐに学びなおすべきだと思うし、楽しいと言う感情はやっぱり最強だと思う。幼いころに無理やりやるくらいなら楽しくなってからでも別に死なないし人生は今この瞬間が一番若いと言いながら走り続けたい。