小さな著者と小さくて熱心な読者

【日常と思ったこと】

小学生の時に小さなノートに恋愛小説を書いていだんだけど、気の強い女の子に奪われて読まれたことがあって見せるのがとても恥ずかしくて「続きはまだか」と頻繁に聞いてきて当時はいつ笑いものにされるか怯えていた。でも彼女はそんな事はしなかったし、今思えば彼女こそが実は熱心な読者だった。

と言うツイートの続きが少し長くなりそうなのでブログに訪れた。

上記を今小説にしたら百合っぽくて面白そうだけど、中学生の時の読書感想文で先生に「大学生に書いてもらったの?」と疑われてそれ以来まともな文は書いていない。

夢小説とTwitterといくつかのブログくらい。

彼女がそう聞いたのにも訳があって、学年代表に選出する際にあまりに出来すぎているのでもう一人と迷っていると言っていた。

結局選ばれなかったけど。ちょっとした疑われ損。

驚いた顔をしたら「これは…選出した子全員に聞いているの」とも言っていたけど、あの様子では聞いていない。そのくらいは中学生の私にも感じ取れた。

このくらいのことでショックを受けて一生筆を折る様なタイプでは無いので、きっかけの一つにすぎずただ何となく書いていないだけと言えばそうだが、中学生には割とショックだった。幼い時にショックを受けたタイミングは大人になったらよく分からなくて感情の強さを不思議に思う。

勿論自分で書いたもので、夏休みの宿題である読書感想文を最後まで取っており間に合わないので、当時夏休みも解放中の学校の図書館に置いてあったドストエフスキーの「罪と罰」の最初と最後を読んで急いで書いたという、ちゃんとした経緯もある。

なぜ罪と罰だったかと言うと、その場にあった蔵書の中で最も分厚かったからという単純な理由だった。厨二病とはそういうもの。

内容は流石に今は覚えていないが、そんなものが学年代表に選出されそうになっていたと思えば選ばれなくて良かったとも言える。選出後は確実にコメントが求められるから、またフィクションを書くことになる。だがもう流石に時効なので、本当のことを話してブログのネタにする事にした。

小学生の頃に熱心な読者として傍にいてくれた彼女は私立高校へ行ってしまってしばらくは交流があったものの、当時人付き合いは無駄だと思っていた私と続くはずもなく(こちらが怯えていたのもあり)どこかで途切れてしまった。

今はどうしているのだろう。

名前も当時の顔も白くて大きい実家の場所も覚えているが、自然と繋がる以外に探す事は無いだろう。

私の記憶の中の彼女は、もうだいぶ美しい思い出として昇華されてしまった。そのせいで怯えていた気持ちは薄れ「一人の読者がいた」という美しいだけの物語に書き換えられつつある。

けれど多分、それで良いんだと思う。

ちなみに小学生の私が書き上げた小説のタイトルは「フレンズ」だった。1対1の恋愛小説ものにそのタイトルをつけるなんて光るものがあるな。

Posted by AMAAI