自覚がないだけで「ひきこもり主婦」の可能性
先日テレビを見て初めて「ひきこもり主婦」の存在を知った。
「1日中外に出ない、家族以外の人間と話さない。」
テレビ自体は「ふーん」くらいに思って流し見していたが、いやはや待てよ。
これって私も当てはまるのでは。
ひきこもり主婦の特徴
テレビでやっていた「ひきこもり主婦」の特徴はこんな感じだった。
- 家族以外の人間と長期間話していない。
- 人と会うのは気疲れしてしまうと感じる。
- 悩みを話す相手がいない。
- 夫がいる時はよい妻であるが、いないと何もやる気が起きない。
- 週1回程度の買い物以外は家にいることが多い。
表面上はうまくいっているように見えるため、家族も異変に気付きにくいそうだ。
現状条件がリーチ状態だが、今はそれで困っていたり悩んだりしていることはない。では悩んでいなければ問題はないのだろうか。
自覚のない「ひきこもり」を問題視する
「特に本人が問題視していなければ」と始めは思っていたが、孤立してしまってから気づいても遅いのかもしれない。周りとのコミュニケーションを怠ってしまえば確かに楽だが、悩みを誰にも打ち明けられずに自爆してしまう可能性は大いにある。
周りにも同じような境遇の人間が何人もいる。ほとんどが周りに旦那以外の身内がいない、子供もいない専業主婦たち。日中だれかと話すことがないので、気疲れも無いがそれなりに孤独だと思う。
子供がいないのでママ友もいないし友人とは遊ぶけどそんなに頻度は高くない。旦那に付いてきた形になるので近所付き合いも無い。
同じような境遇のとある友人は日中寂しいと泣きながら過ごしていたと言っていた。
私は趣味が多く一人焼肉も一人カラオケもできてしまうタイプなので寂しいというよりは忙しい日々を送っているが、確かに旦那意外とはあまり話さない。予備軍と言っても過言ではないだろう。
自覚のない「ひきこもり」。私みたいな人間が「ひきこもり」として認知されないまま世間に相当数居るという可能性は大いにある。
内閣府調査では、15~39歳で推計54万1千人、40~64歳は推計61万3千人。若年層を上回る中高年のひきこもりがいるとのこと。推計なので完璧に正しい数字ではないが、データに上がっている分だけでも100万人規模なのだ。
調査では6か月以上ひきこもっている場合は、専業主婦でもひきこもりの対象になるので数に含まれてはいる。しかし今もし私がこのアンケートを受けたとしたら「私はひきこもりではない」と回答するだろう。客観的にみればそうなのだが、ひきこもっている自覚はあまりない。
自覚はないだけで、退職後は他人との繋がりは薄れつつあるとも感じている。仲の良い友人は居るが、毎日一緒にいるわけでは当然無い。帰宅すれば旦那と会話をするが、これがもし会話のあまりない夫婦だったとしたら。悩みを抱え込んだまま一人になってしまうかもしれない。
失われた文化と代替品
昔はご近所付き合いというものがあった。しかし最近はマンションやアパートで隣近所を全く知らないということも多い。現代の環境はそもそも独りになりやすいのだ。
実際に忙しい時にはコミュニケーションを取ることは億劫だと感じていたが、何かを気にして外にでられなくなるというのはそれだけ余計なことを考える時間が増えたともいえる。忙しすぎてもだめだが、暇すぎてもダメ。程よく嫌なことを忘れられる生活バランスが大切なのだと私は考える。
ご近所付き合いが無い代わりに今はインターネットがあるので、それで救われている人もいるのではないのだろうか。
テレビではそういった「ひきこもり主婦」たち向けのセミナーの集まりがあるとやっていた。今は行ってみようという気にならないが、気にはなった。
しかし行ってその場の友達を増やすのか。友達と話すことで気疲れしてひきこもってしまったケースはどうなるんだろう。救う手立てはないのだろうか。
自らの意思でのみ結果が変わる
「ひきこもっていること」自体を気に病んでいるくらいなら「外に出たい」という意思があるのだ。
しかし仮にひきこもり主婦のセミナーに参加したとしても、悩みを共有できる友人が欲しいと自分の意志で思えなければ、結局そのセミナー代をドブに放り投げたとて同じこと。
本人の意思がなければどんな状況をも脱却することは不可能なのだ。ひきこもりは突然治ることは無い精神疾患の一部ととらえている。
今までは普段からプライベートで他者とのコミュニケーションを取ることを極力避けていた。友人と遊ぶのは嫌いじゃない。もちろん楽しい。ただ今でも誰が悪いわけでも無いが、回数が多いとどうしても気疲れしてしまう自分がいる。
このままではいけないと思い、友人達と連絡を取りカフェやら居酒屋やら行ってみることにした。こうやって連絡を取り合うことで、自身だけではなく他者の悩み相談の場を作っていくのも私にできる少しの“善い行い”であると気を改めた。普段から無理なく続けられる繋がりを大切にしていかなければ。
「また新しいビジネスが生まれたんだな」と思ってテレビを眺めていたが、その新しいビジネスの対象になる日も近いのかもしれない。
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